秋分からあいだが開いてしまいましたが、世の中が開放感に満ちてきたので再開します。
3章の後半から。
前回が石笛と能管の話でした。
甲高い、高次倍音。
2万Hz以上の、耳では聞こえない音が重要であるといった話。
縄文人たちがなぜ好んで森林に暮らしてたかというと、音に関係があったかもしれません。
わたしたちが、あの静かな森でゆったりと寛ぐために、森林浴に出かけるのも関係してるでしょう。
野鳥の鳴き声、風の囁き、源流のせせらぎ、木々のざわめき、蝉の声、秋の虫。
そうした無数の音が、木々に吸収されながらも、重なり合って響き合い、耳で聴くことができない豊かな高次倍音に包まれている。
ある研究調査によると、森林では5万Hz以上、熱帯雨林なら10万Hz以上の豊穣な高次倍音に満ちていたという。
そこから、耳以外でも音を聴いていることを証明するため、骨伝導の話に移ります。
耳は空気中の震動を鼓膜でとらえてるけど、水中のイルカやクジラは骨伝導でかなり遠くの広範囲の音域まで聴き取っている。
ガイアシンフォニー地球交響曲第九番もテーマにしている、第九とベートーベン。
ベートーベンは音が聞こえなかったのは耳の話で、身体ではっきりと音を感じることはできていたのだ。
これまでずっと話題としてきた高次倍音が、可聴域を超えてるのに感じてる秘密がここにある。
高次倍音は体表でも知覚できるし、この骨伝導によってより深く、身体全体で、特に顎の骨で聴いていたのだ。
もし耳が不自由になったり機能しなくなると、こうした耳以外の聴覚機能にスイッチが入り、その能力が発達しやすくなる。
このように高い音に対しては難しいけど、普段から低い音は耳以外で聴いてリズムを取ってる。
お祭りで大地が揺れるような太鼓の重低音は、昔から身体で感じて聴いてきたし、自然とリズムに乗って身体が踊り出す。
これらの音を、身体全体では特にどの部分で聴いているかがわかる。
低音は地に足がついた爪先から下半身で、中音は胴体で、高音は顎から頭の天辺にかけて。
もうひとついうと、身体は目に見えてる物質だけじゃなく、オーラと呼ばれるエネルギー体に包まれている。
耳からだけでなく、こうした音の響きを身体を通して全体で聴いているときは、当然オーラも響いてその色が変わるという。
それが見える人には見え、わかるというのだ。
神聖な音と感じてるようなときは、このオーラが共鳴しているってことだ。
最近、わたしのまわりの友人で特に敏感な方たち＝女性たちのあいだで、なぜか法螺貝が流行っている。
法螺貝はその一生を、深い海の中で豊穣な高次倍音を聴いてきた。
グリーンの森林や熱帯雨林があの音なら、深いブルーの海の中とか、光も届かぬ深海はどれほど豊かな音の世界なんだろう。
想像を絶しますね。
そりゃ法螺貝なんか吹いた日にゃ、虹色のオーラがびんびんに、赤、オレンジ、黄色と燃え上がるように変化して発色してるはずだ。
そう思うと、法螺貝が山や谷に鳴り響く音は、どこかクジラの歌にもきこえてくるなぁ。
高次倍音のあふれる森へ【 #音と声の呪力 連続レビュー⑫ 】 - YouTube
