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千音寺の赤星神社が赤星明神かどうかよりもっと大切なことがある

赤星神社(愛知県名古屋市中川区富田町千音寺赤星裏)
https://goo.gl/maps/drQWC9ZFhYyuwsnv6

ここは千音寺の赤星神社。
やっとお詣りすることができてよかった。

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尾張の星信仰は庄内川沿いに散在してて、祭神は天津甕星か天香香背男がほとんど。
しかし、木曽川に近い尾張の西方では星の宮に饒速日命が祀られている。

星大明社
https://fuhgetsu.hatenablog.com/entry/2023/02/23/124925

星大明神社
https://fuhgetsu.hatenablog.com/entry/2023/02/23/123954

ここへは10年前に訪れ、何かひっかかるもののなかなかその先には進めないでいた。
星大明社では、通称が星の宮であり古くは赤星明神であるとされていた。
地図を見ると、今回訪れた赤星神社はやや離れた場所ではあるが、ミカボシやカガセオの星神社とは違う、ニギハヤヒである赤星明神の信仰圏がかつてあったのではないかと勘ぐった。

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赤星とは何か?
赤星はアンタレスの和名。
そして、先代旧事本紀ホツマツタヱにもその名が見える天津赤星という神の存在。
ニギハヤヒに従って天降りした五部人の一人で、九州にある赤星神社がこの神を祀っている。
はたして、千音寺の赤星神社の祭神は?

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現地に行けば何かわかるかと思ったが、神社名の表記以外は由緒などの木札も社務所も無く、何もわからずに終わった。
そのような有益な収穫があるかないかは行ってみないとわからない。
それが何もなかったとしても、その土地から来る何某かの情報を受け取ることができるので、とにかく現地へ赴くことを心がけてます。
帰ってから調べてみると、祭神は根裂尊(ねくさのみこと)という珍しいカミさまだった。
星神ではないが、イザナギカグツチを斬ったときの血が岩について生まれたのがイワサクとネサクで、星にまつわる神社の祭神となっていることもあるのだ。
平安時代末の尾張国内神明帳に記される赤星明神は、江戸時代の調査でも千音寺の赤星神社であるとは言い切れず、諸説入り乱れたまま。
しかし、神社庁は千音寺の赤星神社を尾張国内神明帳の赤星明神だと断定していますが、一つの見解に過ぎないから不明のままでいい。
まだまだ検証を積み重ねる必要があります。
こちらの名古屋神社ガイドではその辺りのことを丁寧に検証されていますが、それでもまだまだもっと検証を重ねないとわからないと締め括ってます。
https://jinja.nagoya/top/nakagawaku/akabosi-jinja

尾張国内神明帳の赤星明神は、星大明社や星大明神社の可能性があることを示唆しているけど。
河川流域は集落ごと消滅して移転し、後の時代に再興したりするから、いずれかの時代に三ヶ所とも赤星明神だったかもしれない。
どっちかが元宮で、後世に分霊を祀ったのが赤星神社なのかもしれない。
なぜネサクなのかも気になるが、なぜニギハヤヒなのかはもっと謎だ。
その理由のひとつとなりそうなのが、天津赤星の存在。
その子孫がこの地に居たのではないかと踏んでいる。
素直に祖神としての天津赤星を祀ればいいものを、名乗れなかった理由があったのかもしれない。
それで、時を同じくして天降ったニギハヤヒを祭神とした。
また、赤星という隕石が落下したことによる星信仰から来てる可能性も捨てがたい。
星崎の星宮社にも隕石が落ちてるけど、河内の隕石がニギハヤヒの天降りした伝説となったように、物部氏がいたこの土地で同じような星信仰が生まれたか。

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そもそも、一宮の酒見神社に実在のニギハヤヒが逆身となって棲んでいたのだから、伊勢の太陽神アマテラスに対して星神のニギハヤヒという信仰があってもおかしくないのかもしれない。
しかしまだまだ展開がありそうなので、この問いはわからないまま、当分のあいだ保留にしておきます。

 

 

 

 

 

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