2章の途中で、ずっと寄り道してその世界を彷徨ってます。
叩き弓から発せられるパルス音で魔を祓ったり、梓弓で巫女が変性意識となって神霊を引き寄せる。
梓巫女(青森)
▶https://youtu.be/H_K8BXtt4BQ
それが複数の弦を共鳴器に張って、楽器となっていく話まできました。
ここで太鼓の話にもなりましたが、もう一方は弦楽器ということになりそうですが、ここでは「琴」という言葉で進んでいきます。
その方がしっくりくることもわかってきました。
それほどわたしたち日本人には馴染み深く、「お琴」という言葉があるほど大切にしてきたからです。
古事記や日本書紀に出てくる琴の音は、大自然と感応し、人間界の乱れも整えていく。
ホツマツタヱではさらに、琴の成り立ちから詳しく書かれている。
人と神をつなぐ神聖な琴だからこそ、お琴と呼ばれた。
琴といえば、あの優雅な琴の音色を連想しちゃいますが、本書では一気に深い話へ持っていかれます。
琴(こと)と一言でいっても、普通に連想する琴は、奈良時代に大陸からもたらされた箏(ソウ)という楽器。
弦を固定する柱のあるのが箏で、柱がないのは琴(キン)という固有名詞の別の楽器だった。
それ以前から日本には和琴(わごん)と呼ばれる柱を持つ楽器があった。
コトという呼び名は、箏・琴・和琴を、琴の一字で呼ぶようになった総称固有名詞。
この楽器の成り立ちから分類は、専門家ですら解明できず難しいので、本書でもこの後は琴(コト)に統一表記していく。
いろいろ音が聴いてみたくなりますが、とりあえず和琴と雅楽の動画をどうぞ。
試作してみました。短尺和琴 音は・・・
▶https://youtu.be/nuXjXo5iWDQ
和琴(わごん)(雅楽の琴の一つ、最古の琴)/ 東儀秀樹
▶https://youtu.be/BdsEUmsOVSI
平調 越殿楽
▶https://youtu.be/BZ0lcZKFQ5M
古代人は、天地人のエネルギーの象徴とされる龍が琴の中に宿っていると考え、箏の各部の名称を、竜頭、竜腹、竜尾のように龍の身体として表現していた。
このことは、樺太アイヌの伝統楽器トンコリと似ている。
トンコリは女性の身体を模した楽器といわれており、各部は人体の名称で呼ばれ、胴体の中には魂としてガラス玉などが入れられる。
初めてトンコリを知ったのはOKIさんがデビューしたころ。
今までずっと、そのトンコリはギターや三味線に近いと思ってたけど、楽器としては琴の仲間で、そういえば五弦琴とも呼ばれてる。
これは本書に書かれてる内容ではなく、わたしの脱線により調べてる部分だけど、まさにトンコリは琴だと納得、腑に落ちた。
アイヌの口琴、ムックリも琴ではないか!
トンコリの作り方
五弦琴【トンコリ】
▶https://youtu.be/W6TCrSibs7Q
樺太アイヌ、金谷フサと白川八重子のトンコリ演奏と話
▶https://youtu.be/H2CtFnkSUY4
加納 沖 (OKI) トンコリ・コンサート 1995-06-09/御師の家《ま北》@富士北麓・富士吉田 ver. 2
▶https://youtu.be/_OJNLGCEhj8
楽器事典 アイヌ音楽
▶https://youtu.be/4CZh27ugcaI
アイヌ民族楽器ムックリ演奏
▶https://youtu.be/ewdQk0sCK88
そして、こちらは縄文琴です。
https://fuhgetsu.hatenablog.com/entry/2021/09/03/134223
こちらは、出雲の弥生時代の遺跡から発掘された琴です。
似てますね。
http://www.fuwaiin.com/jyoumon-iseki/tottoriken/09.aoyakamijitiiseki-saisi/saisi.html
古墳時代の埴輪には、琴の演奏が再現されているものがある。
当時はどのように琴を鳴らしていたのか、ここから紐解くことができる。
それは、1本1本の弦を弾くメロディーではなく、大きな撥で一気に全部の弦を掻き鳴らすグリッサンド奏法だということがわかる。
古代の琴は、やはりリズム楽器なのだ。
弥生時代の出雲で完全な形のまま出土した琴は、現在でも出雲大社の神事で使われる琴板として現役なのだ。
本書では、琴板についても詳しく書かれててとても面白く興味深いです。
以下、引用。
“出雲大社の琴板は箱型につくられ、おおよその寸法は幅25cm・長さ80cm・高さ10cmで糸は張られておらず、70cmほどの柳の撥で打つ打楽器となっている。出雲大社の琴板は「笏(しゃく)で敲(たた)いて神霊を迎え、吉凶を占う」との伝承を持ち、出雲大社の古傳新嘗祭で、いまも使われている。かつては、ここに弦が張られ、梓弓のように叩かれていたとみられている。琴の古い演奏スタイルが残っているのである。”
弥生時代の琴も箱型。
どう見ても、弦が張られた形跡が素人目でもわかる。
現代の出雲の琴板がどんな音をしているのか聴きたくなって、こんな動画を発見。
出雲 熊野大社 鑽火祭その4.AVI
▶https://youtu.be/djhNaF5nUIg
ずっと後ろの方で何かを叩く音がしてますが、4分15秒過ぎからちらっと映ります。
出雲の三種の神器は、刀と弓と琴です。
そのひとつが、古事記や出雲神話に出てくるオオクニヌシの天の詔琴(のりごと)。
これがどういった琴だったかは、誰にもわからない。
ホツマツタヱの八雲討ち琴つくる文に、オロチを討ったことに由来する八雲打ちの六弦琴が出てくるが、この六つの弦はそれぞれカダ・フキ・カナデ・メカ・ハ・ヒレの名が付けられ、ムハタレを討った手段に由来する。
ついでに調べた出雲琴について。
日本には他にも、琴柱や琴爪を用いず、絃を押さえる場所で音程を決める、一絃琴の須磨琴や、二絃琴の八雲琴がある。
江戸時代につくられた八雲琴(出雲琴)は、大本教では祓いの神事で使用される。
一絃須磨琴レクチャー:第一巻「須磨」
▶https://youtu.be/e0MTbKVaJFk
田中緒琴(たなかおごと) 八雲琴「菅搔曲:本手」
▶https://youtu.be/FoRBmSY4nks
ついでに、天津祝詞も聴いてみよう。
大霊能師 出口王仁三郎★奇跡の肉声★
▶https://youtu.be/NkXgvjIfekk
脱線に次ぐ脱線ですが、琴のコトを考えてると、世界中のあらゆる楽器が琴だと気づく。
ハープや竪琴も。
シュタイナーのライアーも。
もうきりがないくらい、わたしの中で、あれもこれもかぁと。
もう一つだけ取り上げておくと、ジミー宮下さんのサントゥールは百弦琴だし、ハンマーのようなもので叩くという、原点である叩き弓の要素を持っている。
Piano ancestors born in Persia"Santur"ペルシャで生れたピアノの先祖「サントゥール」楽器紹介 Perform...
▶https://youtu.be/ky0ssEb5zDU
Santoor by Jimmy Miyashita
▶https://youtu.be/1m-tYrdN10A
ジミー宮下 サントゥール ソロ演奏@UFO MEETING 2011
▶https://youtu.be/MMxYNaSKDgU
と、何のまとまりもなく気がすむまで書いたところで、まったくレビューにもなってないことに気づき、ここらでしめて次は先に進むことにいたします。