月音(つきのね)∞風音(カヂヌウトゥ)

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#音と声の呪力 連続レビュー⑬

さぁ、3章もいよいよ大詰めです。
なかなか前に進みませんが、特に3章は面白すぎて端折れないんです。

 

いよいよここから、金属の響きが生み出す高次倍音の霊力に入っていきます。
もうこの時点で、神楽鈴や巫女鈴のシャンシャン、錫杖のシャリンシャリンといった音がきこえてくる。
カミさまを迎えるため、邪を祓い、自らも清らかにし、空間そのものを清浄にする。
神社の拝殿の鈴は、カミさまを呼ぶために鳴らされる。
神楽の手打鉦や、祭の摺鉦(すりがね)は、魔を退散させるような勢いで打ち鳴らす。
そんなイメージがわいてきます。

 

以下、引用。

 

だから、シャーマンは、体に金属片をたくさんつけるのだ。北東アジアのシャーマンは、「鉄鐸(てつたく)」という細長い鉄製の鈴をつけて、歌い踊りながら、ガチャガチャと鉄鐸の音を辺りに響かせ、変性意識状態に入っていく。

 

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中国の東北地方、ロシア沿岸、アムール川流域といった北東アジアを中心とした遺跡や墳墓から、小型の鉄鐸が多数出土したり、鉄製の鉄鐸や鉄棒や鉄小板をさげた祭具が出土し、これらはシャーマンが身につけていたとされる。
金属の生み出す高次倍音の響きで、アチラ側へのゲートを開き、コチラ側と宇宙意識がつながり一体化する。

 

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このような北東アジアのシャーマンの流れを汲んだ祭が、青森のねぶた祭
跳人の衣装には鈴がびっしり縫い込まれ、激しく跳ねることで鈴が発する高次倍音の響きに包まれる。
ねぶた祭の不思議な恍惚感は、この霊的エクスタシーによるもの。

 

そして、山登りに錫杖が使われた本当の理由とは。
以下、引用。

 

東北では、修験者たちがもたらした祈禱色の強い芸能がいまも生きている。ここで多用されるのが「錫杖(しゃくじょう)」だ。巫女鈴のように手に持って振ると、複数の金属の輪がぶつかり合って金属音を発する楽器である。(中略)興味のある方は、動画サイトなどで、東通村(ひがしどおりむら)に伝承される錫杖の使い方を確認されるとよい。おすすめは悪鬼退散の様子を演じる『鐘巻』、魔除け・福寄せの祈禱芸能『権現舞』だ。悪鬼は錫杖の音にひれ伏し、空間は錫杖の音で清められて福が招かれる。

 

それでは観てみましょう。

 


青森県東通村熊野権現祈祷
https://youtu.be/RCfHBZTZcaw


11 東通村鹿橋 能舞 鐘巻 下北の伝承2014 [33.00/42.07]
https://youtu.be/4HxJFIoJk18?t=1980 ←開始位置【33分00秒から】


東通村鹿橋能舞 三番叟
https://youtu.be/aYaV2M1EqdY

 

まさにですね。
しかも、芸能というより普遍的なロックそのもの!
錫杖だけでなく、神楽はすさまじい太鼓と手打鉦の金属音も加味して、4章に出てくるヘビメタのドンシャリ感もすごい。

 

以下、引用。

 

錫杖はお地蔵様が手にする楽器としても知られている。山を登るときに、錫杖の金属音を響かせるのは、熊を寄せつけないためと説明されることがあるが、それよりも大きな目的がある。それは神々しい世界へ霊魂を解き放つことなのだ。日本の多くの神社は、奥の院が必ずといっていいほど「山」に置かれている。(中略)エジプトの人々は、山の力に飢え、とんでもない労力と犠牲を払って砂漠にたくさんのピラミッドという「山」をつくったのだ。それは、山が偉大なる宇宙神につながる場所と考えられていたからだ。

 

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修験者の錫杖の音が、山や谷に響きわたる。
その先に、カミさまが降りてくる山頂がある。
山に登ることは、宇宙との一体感。
わたしもよく山に登りますが、とてもわかる気がします。

 

 

 

 

 

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