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陰陽和合の大調和 みとのまぐわひ

みとのまぐわひ

今やタブー視される性交ですが、日本書紀古事記にはこの言葉がちゃんと書いてございます。
おおらかだったこの国では、イザナミイザナギの二神がどのように行ったのか、それも具体的に記されているのです。
まぐわい、と、みと、の二つの言葉からなる。
最初にこの言葉を知ったときには、みとって何だろうと思ってました。
まぐわうは、調べるまでもなくわかりますが。
目合うとも書き、目が合うことが語源のようですが、交わり合う交合、つまり性交の意であり、みとのまぐわいで婚姻の意となります。

古事記では美斗能麻具波比(みとのまぐわひ) と書きます。
この美斗(みと)について調べたとき、あまりにも多くの説があり惑わされました。
御所(みと)のことで、御寝所、つまり寝床を意味するとか、美という美称に対する斗(と)に関しては入口とか、いかにもそれらしい事柄が書いてあり、広辞苑ですら陰部と書いてあるから、古語辞典は女性器、隠語辞典ではまんこの古語であるとまで書かれる始末。
古事記は訓読みで漢字に意味が無いのに、あれこれ妄想しすぎ、飛躍しすぎで、この有り様。

日本書紀では遘合爲夫婦(みとのまぐわい)と、ちゃんと書いてあるではないか。
漢文だから、夫婦(みと)と遘合(まぐわい)が逆順になってるけど。
みとは、めおとの夫婦のことでいいのでは。
よって、みとのまぐわい=夫婦の性交で、婚姻を意味する、と。
そんなに難しく考える必要はないよね。
みとのまぐわいは、女性性と男性性が陰陽和合するという宇宙の大調和なんだから。


とにかく、こおろこおろのオノマトペで表現されるような、ぐっとくるシーンが連続する国生み神話から神生みへの展開が尊くて美しく、記紀神話の中で一番好きな部分です。