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暦と方位を紐解きながら太陽信仰に関する伝統行事にみる「1のまわりの12」 〜フラーと縄文数理システム

musublog(2012年09月12日19:18)
http://www.musublog.jp/blog/fuhgetsu/?entry_id=14464(2020年4月14日にブログ閉鎖)

 

 

 

九鬼家の家紋からアインシュタインにみる「1のまわりの8=1のまわりの4」 〜フラーと縄文数理システム
http://www.musublog.jp/blog/fuhgetsu/?entry_id=14462
https://fuhgetsu.hatenablog.com/entry/2012/09/12/191800_1904

 


そのつづきとなる2つのmixi日記をブログに移行した上で、加筆修正しながらつづきを書いていきます…
http://www.musublog.jp/blog/fuhgetsu/?entry_id=14459
https://fuhgetsu.hatenablog.com/entry/2008/05/16/152200

http://www.musublog.jp/blog/fuhgetsu/?entry_id=14461
https://fuhgetsu.hatenablog.com/entry/2008/07/15/192200


当時のわたしが、ストーン・サークルや神社の鳥居などから感じていたこと。
今わたしは、自分を中心とした宇宙の中の、いったいどの位置にいるのか。
だから暦と方位は同じことなんじゃないか。


 キツヲサネ ヨモトナカナリ

 東西中南北 四方と中心なり


具体的なイメージとしては、画像のようなマヤのフナブ・クだったり、メディスン・ホイールだったり、

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フトマニ図なんかがしっくりと私の中心にきていた…

 

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ちょうどそのころ、マイミクさんから教えていただいたのが…

> 『上記』ウエツフミでは東方に13の宮殿を配置して、太陽の昇る方位の基準にします。
>
> ですが東方の13の宮殿は、実祭にあるのではなく架空の存在なのです。
>
> 観測点から観て、13個の目印のような機能を持つものがあればよかったのでしょうか?
>
> その延長線上に、架空の13個の宮殿が地平線上に存在することになります。
>
> 『上記』での夏至にあたるサナエの月には、太陽は最も北よりの十三番目の宮殿から出現します。
>
> 反対に『冬至』の太陽は、最も南よりの1番と2番の方位から出現します。


この13の宮殿の「13」は、直感で「1のまわりの12」だと感じた。


岐阜の笠松に残る雨乞い神事。

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中心に紙垂のついた柱を置いて、12本の五色で飾られた竹竿を背負った踊り手が、くるくる旋回しながら柱の周りを踊ります。
これこそ「1のまわりの12」を用いた、古代の太陽祭祀の名残りと思われます。



そして、ウエツフミのいう13の宮殿のシステムとはもしかしたら...

> 『上記』での夏至にあたるサナエの月には、太陽は最も北よりの十三番目の宮殿から出現します。


実は、この話を聞いてすぐにピンと来たのがこちらです。
2007年に訪れた、岐阜の山中にある朝鳥神社の冬至祭。
http://www.musublog.jp/blog/fuhgetsu/index.php?entry_id=5310

そこで出会った古老から詳しく説明を聞いて、古代の方位と太陽観測の立体装置をしっかり見てきました。
磐境(イワサカ)は5つあり、それぞれの季節点の太陽光が差し込む仕掛けとなってます。
その手前にある2本の白木には注連縄がかけられ、やはり5本の紙垂がたれています。
これが鳥居の原型といわれ、もともとは太陽をねらう照準器の役割だといってました。

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冬至の日の出は鳥居の一番右(南側)を通過してイワサカの一番左(北側)にあたります。
夏至はそのまったくその対極となり、1年でこの幅を1往復するからまさに「一陽来復」ですね。

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ちなみに英語で冬至は「Winter Solstice」、夏至は「summer solstice」。
この「Solstice」とは、ラテン語で「太陽が止まる日」という意味です。

秋分は5個のイワサカの真ん中で、1年に2回太陽があたります。
これで計3個です。

その中間にも1個づづあり、合計5つのイワサカはこんな感じで陰陽のバランスを立体的に表現してました。

 

 


 冬至立春春分立夏夏至
 ↑●   ●   ●   ●   ●↓
 冬至立冬秋分立秋夏至

    ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑
     太  陽  光




上記を応用して、●と●の間を3等分すると...


冬至小寒大寒立春→雨水→啓蟄春分清明穀雨立夏小満芒種夏至
  ↑●   ○   ○   ●   ○   ○   ●   ○   ○   ●   ○   ○   ●↓
冬至←大雪←小雪立冬霜降寒露秋分←白露←処暑立秋大暑小暑夏至

 


5個の配列を13個にすることで、なんと二十四節気の陰陽相関図ができあがりました。



そこで、もう一度「1のまわりの12」に関してわかりやすい神事をみていくことにします。

那智の火祭り
猛暑の中執り行われるこの火祭りに、いつか一度は行ってみたいと思ってますが…

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熊野の神々が年に1度、12体の扇神輿に乗って那智の滝に里帰りする祭り。
毎年7月14日に行われる熊野那智大社例大祭で、正式には「扇会式例祭」とか「扇祭」といいます。
火祭りの名の通り、派手なイメージとして大松明の燃え盛る炎にばかりに目が行きますが、実はこの祭の主体は松明ではなく、熊野十二所権現に見立てた十二柱の「扇神輿」です。

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もともとは旧暦の六月十四日と十八日日に行われていました。
つまり、満月前後のお祭ということです…

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かつては六月朔日に全ての社僧が滝本に集まり、さらに十二所権現で神役を務め、十四日に12本の大扇を12の御神体に表し、未の刻に神扇などが滝本宮を巡って田楽を行なったそうです。
そして酉の刻に伏拝した後、神扇を立て列ねて献灯し、社僧は十二所権現に集まり、神扇が十二所権現に着くと社僧は大きな松明を持って迎え、田植の儀式や田楽が続く。

扇神輿は、その全体の形が飛瀧(那智大滝の御神号)を模しており、扇は「招ぐ」に通じ、神霊の招ぎ代です。
また扇は幸を招き、邪を払うものでもあります。
頂上に造化三神の御神徳をあらわす「光」を載き、八面の神鏡は幸魂・奇魂・和魂・荒魂の四魂の体用を兼ねて、神威八紘に照鑑するしるしです。

神輿の12体は12ヶ月、すなわち1年をあらわしています。
扇は1体に30面、下部にも2本の半開きの扇を附けますが、これはそれぞれ1ヶ月の日数と月の上弦下弦をあらわすものです。
また使用の竹釘は1年の日数と同じ360本を一体に用いる古例です。


このように通説では単に暦をあらわしているといわれていますが、金地に朱の日の丸を描いた扇を組み合わせ、細長い框に派手な赤緞子を張った幅1m長さ6m程の神輿が12体。
見るからに特異なこの表現は、もっと違う何かを物語っているように感じます。

例えばマヤ暦や太陽信仰に関わる古代の聖数に「12」と「13」がよくでてきます。
那智の滝で行われる水と火の祭りは、熊野の太陽信仰と三本足の烏に関わる何かを秘めている気がします…


熊野の三本足の烏は「八咫烏」と呼ばれています。
太陽信仰にはこの「8」とか「9」も聖数としてでてきます。

漢数字で「八」は無限を意味する末広がり。
アラビア数字の「8」も、メビウスの輪の無限を意味する。
漢字も「ハ」の字にする以前に、アラビア数字が「∞」の形にする以前に、どちらも数字の持つ意味なり役割が先にあったからこそ、それを意識した象形デザインが成り立っていると思います。
というわけで、後々いろんな要素の意味づけが加わり、8と9の聖数がどう展開したのかも気になりますが、どこがルーツでどのように伝播したかだけでなく、宇宙樹のように普遍的な古代の宇宙観に端を発しているのではと感じています。


宇宙の根元は陰陽の2極にはじまり、三角形や五角形、六角形といった幾何学的な面から立体的な空間を生じさせます。
フラクタルやドームハウス、宇宙船地球号でも有名なバックミンスター・フラー氏は、宇宙を構成する最小単位を発見し、それをベクトル平衡体と名付けました。
その構成要素はさらに正四面体に分割することができる。
もうこれ以上分解すると存在すらなくなる宇宙の原理。
その正四面体の頂点は4つ。
それぞれの頂点と対面する面の中心には、外に向かって発散する力と、中に向かって収束する力が働きます。
陰陽が加わり8つの方向性があることがわかります。
その中心を加えれば9にもなります。
http://www.musublog.jp/blog/fuhgetsu/?entry_id=14462
https://fuhgetsu.hatenablog.com/entry/2012/09/12/191800_1904

 

さらに、正四面体の辺の数に注目すると6辺あることがわかる。

しかし、もっとも重要なのはベクトル平衡体。
その頂点はの数は12。
その中心を加えれば、13という神聖数がでてくる。
それが「1のまわりの12」であり、六角形のリングを4つ持ち、正四面体もマカバも内包している。

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古代人や縄文の先人たちは、この宇宙が採用している数理システムを知っていた。
それは巨木の6本柱の三内丸山にも、世界中の古代遺跡にもしっかり刻まれている…





311で原発事故を起こし、昨日で1年と半年が過ぎました。
縄文を学ぶことは、今の時代に必要とされるメッセージがたくさん込められているとつくづく感じてます。


この「1のまわりの12」について、詳しくは事務局長さんのところでしっかり学ぶことができます。

青森県音楽資料保存協会 - 事務局日記バックナンバー<2005年12月(1)>
http://www7a.biglobe.ne.jp/~amusic/un0512-1.html


わたしは事務局長さんとmixiで出会い、たくさんのインスピレーションをいただきました。
まだまだ勉強することだらけなので、今はツイッターでもワクワクする学びの場を深めてもらっています。

今 雅人(Masato Quon)さん @MasatoQuon on Twitter
https://twitter.com/MasatoQuon





感謝 拝

 

 

 

 

 

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