月音(つきのね)∞風音(カヂヌウトゥ)

◆キーワード:宇宙/巨石/葦船/褌/大麻/真菰/縄文/磐座/神社/修験/民俗/旧暦/お祭り/音楽/アート/映画

那智の火祭にみる「1のまわりの12」 〜水無月満月の太陽信仰

[mixi] 日記(2008年07月15日19:22)
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=870567843&owner_id=4857509

musublog(2008年07月15日19:22)
http://www.musublog.jp/blog/fuhgetsu/?entry_id=14461

 

 

 

 

 

昨日は「那智の火祭り」の日でした。
猛暑の中執り行われるこの火祭りに、いつか一度は行ってみたいと思ってます。

f:id:fuhgetsu:20200811140326j:plain

熊野の神々が年に1度、12体の扇神輿に乗って那智の滝に里帰りする祭り。
毎年7月14日に行われる熊野那智大社例大祭で、正式には「扇会式例祭」とか「扇祭」といいます。
火祭りの名の通り、派手なイメージとして大松明の燃え盛る炎にばかりに目が行きますが、実はこの祭の主体は松明ではなく、熊野十二所権現に見立てた十二柱の「扇神輿」です。

f:id:fuhgetsu:20200811140421j:plain

もともとは旧暦の六月十四日と十八日日に行われていました。
つまり満月前後のお祭ということです。
六月十四日とは、今年でいうとちょうど明日の7月16日です...

f:id:fuhgetsu:20200811140428j:plain


かつては六月朔日に全ての社僧が滝本に集まり、さらに十二所権現で神役を務め、十四日に12本の大扇を12の御神体に表し、未の刻に神扇などが滝本宮を巡って田楽を行なったそうです。
そして酉の刻に伏拝した後、神扇を立て列ねて献灯し、社僧は十二所権現に集まり、神扇が十二所権現に着くと社僧は大きな松明を持って迎え、田植の儀式や田楽が続く...

扇神輿は、その全体の形が飛瀧(那智大滝の御神号)を模しており、扇は「招ぐ」に通じ、神霊の招ぎ代です。
また扇は幸を招き、邪を払うものでもあります。
頂上に造化三神の御神徳をあらわす「光」を載き、八面の神鏡は幸魂・奇魂・和魂・荒魂の四魂の体用を兼ねて、神威八紘に照鑑するしるしです。

神輿の12体は12ヶ月、すなわち1年をあらわしています。
扇は1体に30面、下部にも2本の半開きの扇を附けますが、これはそれぞれ1ヶ月の日数と月の上弦下弦をあらわすものです。
また使用の竹釘は1年の日数と同じ360本を一体に用いる古例です。
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=33114354&comm_id=1110372


このように通説では単に暦をあらわしているといわれていますが、金地に朱の日の丸を描いた扇を組み合わせ、細長い框に派手な赤緞子を張った幅1m長さ6m程の神輿が12体。
見るからに特異なこの表現は、もっと違う何かを物語っているように感じます。

例えばマヤ暦や太陽信仰に関わる古代の聖数に「12」と「13」がよくでてきます。
那智の滝で行われる水と火の祭りは、熊野の太陽信仰と三本足の烏に関わる何かを秘めている気がします...


熊野の三本足の烏は「八咫烏」と呼ばれています。
太陽信仰にはこの「8」とか「9」も聖数としてでてきます。

漢数字で「八」は無限を意味する末広がり。
アラビア数字の「8」も、メビウスの輪の無限を意味する。
漢字も「ハ」の字にする以前に、アラビア数字が「∞」の形にする以前に、どちらも数字の持つ意味なり役割が先にあったからこそ、それを意識した象形デザインが成り立っていると思います。
というわけで、後々いろんな要素の意味づけが加わり、8と9の聖数がどう展開したのかも気になりますが、どこがルーツでどのように伝播したかだけでなく、宇宙樹のように普遍的な古代の宇宙観に端を発しているのではと感じています。
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=32774480&comm_id=1581098


宇宙の根元は陰陽の2極にはじまり、三角形や五角形、六角形といった幾何学的な面から立体的な空間を生じさせます。
フラクタルやドームハウス、宇宙船地球号でも有名なバックミンスター・フラー氏は、宇宙を構成する最小単位を発見し、それをベクトル平衡体と名付けました。
その構成要素はさらに正四面体に分割することができます。
もうこれ以上分解すると存在すらなくなる宇宙の原理です。
正四面体の頂点は4つ。
それぞれの頂点と対面する面の中心には、外に向かって拡散する力と中に向かって収縮する力が働きます。
陰陽のエネルギーが加わり8つの方向性があることがわかります。
その中心を加えれば9にもなります。
このことは「1のまわりの8」というシステムとして、以下の日記で触れてます。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=731180564&owner_id=4857509

今度は頂点でなく、辺の数に注目すると6辺あることがわかります。
これにも陰陽が加わり12となって、中心の1を加えれば13という数字がでてきます。
このことは、暦に関わる「1のまわりの12」というシステムを展開しながら書きました。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=808137336&owner_id=4857509

縄文人は高度な文明も文字も宗教すら持たなかったかもしれませんが、このことをちゃんと知っていたのです。
つまり、古代人はこの宇宙原理を理解していました。
巨木の6本柱の三内丸山も、世界中の古代遺跡にもしっかり応用されてます...


もうひとつヒントとなりそうなのが扇です。
ちょっとメモとして加えると、扇子は日本独自の文化です。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=744125614&owner_id=4857509

話は戻って、この熊野の「扇祭」とどこか似た感じのお祭りが、地元の木曽川の雨乞い踊りにもあらわれています。
このことも「1のまわりの12」というシステムの続編として、いつかまとめようと思っています...




...

 

 

 

 

 

fuhgetsu.hatenablog.com

fuhgetsu.hatenablog.com

fuhgetsu.hatenablog.com

fuhgetsu.hatenablog.com

fuhgetsu.hatenablog.com

fuhgetsu.hatenablog.com