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伊勢志摩の太陽信仰とシリウス 〜謎のサルタヒコとヒライアカルライジング

musublog(2011年08月06日21:07)
http://www.musublog.jp/blog/fuhgetsu/?entry_id=14464(2020年4月14日にブログ閉鎖)

 

 

 

*以下の日記は、3年前の旧暦七月七日に書いたものです…

[mixi] 日記(2008年08月07日22:48)
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=894873837&owner_id=4857509

こちらが、その日付ごとデータ移行したブログ版
http://www.musublog.jp/blog/fuhgetsu/?entry_id=9174
https://fuhgetsu.hatenablog.com/entry/2008/08/07/224800

 

本日は七夕ですので、その中から一部抜粋して転載させていただきます…

 

 

 

 

ヒライアカル・ライジング(heliacal rising)とは、太陽に次ぐ明るさを持つ恒星シリウスが、父なる太陽と同時に東の空へ昇ること。
このときナイル川の水位が上昇を開始します。

 

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冠水した大河は氾濫し、やがて肥沃な大地として潤います。


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この水位変動を基に1年を365日と定めたエジプト暦。
そのシリウス(ソティス)周期は1460年です...
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=14359625&comm_id=1110372

当時のエジプトではシリウスのことをソティス星と呼んでいました。
英語では「Dog Star」、中国では「天狼」と呼ばれ、星座ではおおいぬ座の鼻先にあります。

 

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アジアでは昨日までが夏土用でした。
この土用を英語では「dog days」といい、盛夏を意味します。
もちろんシリウスに関係してて、犬星が太陽と共に出没する7月3日頃~8月11日頃をさしています。
だからちょうどヒライアカル・ライジングの時期とも重なるわけです。

もともとシリウスは、ギリシャ語で「焼き焦がすもの」という意味なんです。
現在は青白く輝いていますが、バビロンの粘土板をはじめ古代ギリシャやローマでも、シリウスは「赤い星」だったことを伝えています。
天を焼き焦がすという尾張富士の火振りもそうだけど、青森のネブタ祭りも本質は火祭りにあったり、時期的にも関係してそうで気になります...
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=891563592&owner_id=4857509


エジプト暦の第1の月はトト月。
太陽を先導する犬星シリウスは、神格を帯びた犬神となります。
古代エジプトのトト神(トート神)はもともと犬頭でヒヒ姿でした。
時代や王朝と共に、その姿をヒヒの頭やトキの頭へと変容していきます。

 

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古代のエジプト文明は、ちょうど日本の縄文時代と同じ時期。
東の果ての古代文明、縄文の太陽信仰とつながっていたとしてもおかしくありません。

天孫を先導した太陽神サルタヒコ。
赤ら顔のその容姿からも、赤い輝きのシリウス(焼き焦がすもの)やトト神の姿となんだか重なって見え、私の中ではつながった感じがしています。

 

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伊勢の海人族が奉祀したサルタヒコは、なぜかその海で比良夫貝に挟まれ溺れ死にました...
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=883539102&owner_id=4857509


ギリシアの聖人クリストフォロスは犬頭の巨人。
犬神キュクロプスは一つ目の巨人。
犬星は太陽の横で輝く一つ目のような星。

 

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そのキュクロプスは、ギリシャ神話の雷と鍛冶を扱う神様。
英語読みでサイクロプス
サイクロンの語源です。
台風とか、凄まじく吹き荒れる風のイメージ。

そして、日本のダイダラボッチ(踏鞴法師)も一つ目の巨人です。
志摩ではダイダラボッチ伝説の残る大王町へ行き、大わらじを流す浜と波切神社へ足を運びました...
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=890847492&owner_id=4857509

志摩地方では「ダンダラボッチ」と呼ばれ、古くは「沖の一つ目」と呼ばれていました。
このダンダラボッチが祀られているという多度大社の天目一箇神(あめのまひとつのかみ)が、伊勢の忌部氏の祖というのも気になります。

それから、波切神社には金山彦神も祭られています。
しかし製鉄神である金山彦は、鍛冶神である天目一箇のダイダラボッチと非常に仲の悪い神として知られています。
なぜなら天目一箇を追い出した地方の神社には、必ずといっていいほど金山彦が祀られているのです。
伊勢と多度大社から山脈沿いに北へ行くと、美濃一宮の南宮大社に金山彦が祀られています...
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=828844775&owner_id=4857509


大王町には須賀という地名があります。
記紀神話ではダイダラボッチが住んでいた場所であり、スサノオが住んでいた場所ともされています。
伊勢神宮は北を向いていますが、自然とその先にある津島神社スサノオと真清田神社のニギハヤヒスサノオの子)も拝んでることになります...
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=884168705&owner_id=4857509


ダイダラボッチは鉄の産地に多く伝わる伝説として、出雲を中心に日本全国に伝わっています。
その多くが、ヤマトタケルの神話が残る地域となぜか重なっているんです。

ヤマトタケルが伊勢の斎宮である倭姫命を頼ってきた際、志摩の大伴部氏と共に東国へ赴く事となります。
この時、ダイダラボッチが作ったといわれる天の叢雲の剣(草薙の剣)がヤマトタケルに手渡されます。

こうして天叢雲剣スサノオからアマテラス、倭姫、ヤマトタケルへ引き継がれる。
そして伊吹山へ向かう前のヤマトタケルは、草薙剣尾張のミヤズヒメへ手渡している...


というわけで、このところ気になっていたキーワードが次々につながる不思議な旅でした!!!
この続きはまたいつか、どこかの旅で出会うのでしょうか...