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20230409 大碓伝説と白鳥神楽と柿野祭り

先週末の祭り日和は濃厚すぎて、得るものも多く、記録した写真の整理も追いつかず、放置しているというよりまとまりきれず、ただただ大切にしてました。
時間が経てば忘れてしまうこともあるので、とりあえず自分のための備忘録として投稿しておきます。
そして、謎めいた伝承の部分は時間をかけて追跡をし、まとめ作業が進んでからのご報告とさせていただきます。

美濃の山中に秘められた、記紀とは違う兄弟の物語。
弟の小碓ヤマトタケル)と兄の大碓の伝説。
そんな大きなテーマの伝承地で行われた二つの祭り。
それが、池田町の白鳥神社の白鳥神楽と、山県市の垣野神社の柿野祭りです。
岐阜と言っても知らないことばかりで、ここに至ったのはつい最近。
これもコロナのお陰です。

武宣都白鳥(むぎつしろとり)のオオウス=ヤマトタケル伝説
https://fuhgetsu.hatenablog.com/entry/2021/04/13/211636

祭りが中止となった2020年。
ここにたどり着いたのが2021年。
このときすでに祭りは中止のさなかでしたが、いつ再開されるか待ち望みつつ、毎回祭りが近づくと事前に問い合わせてました。
昨年も中止とききながら氏子のみの祭りに顔を出したりして、少しずつ少しずつ近づいてるところでした。

まずは白鳥神楽白鳥神社へ。
本来なら、神事の後に神楽をやったり、子供会の子供神輿もあったが、神楽面の獅子頭を飾るのみで省略。
部外者のわたしも玉串を奉納させていただけた。
終わってから、会長さんにお話を伺う。
さみしいが、このご時世だから秋も中止となる予定だと。
いろいろ調べて、連理の榊、亀甲竹、記紀とは違う伝承などをまとめた本を3冊作ったということで拝見させてもらった。


続いて、すぐ隣の集落の横井にある白鳥神社へも寄ってみる。
一人だけ、氏子総代さんがいらっしゃったのでお話を伺う。
白鳥地区と横井地区では赤白が反転の特徴的な旗があり、それをホラフと呼ぶと教えてくれた。
昨日が試楽で神事をして子供神輿を飾ったが、雨で片付けた。
今日が本楽で、二日間の神事のみ。
毎年4月の第2土日ということで、他にも年間行事を教えてもらったり。
伝承では、ここをヤマトタケルが通るとき背丈を超える木々で道に迷い、空を見上げたら白鳥が飛んでいて、池田山の奥にある伊吹山まで道案内したという。
それから、中国から来た白楽(はくらく)天皇を祀る摂社がある。


さて、ここから大移動で川と山を越え、柿野祭り垣野神社清瀬神社へ向かう。
昨年は神事と巫女舞のみで、神楽もからくり山車も無かったが、今年は開催が決定したことをきき、まだ一度も見たことが無いので楽しみにしていました。
4年ぶりの開催で、祭り客のメイン行事となる餅撒きや子供神輿が無いため規模は小さくなるものの、両神社から神幸(神様を乗せた神輿で渡御)をして御旅所にて合流、巫女舞とからくり山車と獅子神楽を奉納。


この、西の垣野神社の小碓と、東の清瀬神社の大碓を乗せた神輿が、その真ん中にある御旅所で出会い、祭りの世話人宮司同士がお互い挨拶する瞬間がとても感動的だった。
この祭祀形態はとても珍しい。
普通は競って、勝ち負けのケンカ神輿となる。
しかも御旅所で、二つ地域から二つのご神体が仲良く並ぶ祭りなど見たことがない。
それはここに残る二皇子の伝承を忠実に再現して後世に残そうという祭りだから。
その部分で言えば、尾張の籠守勝手神社のオケ王とヲケ王の二皇子の伝承を忠実に再現した御駕籠祭とやり方がそっくりだ。

御旅所にて神事、巫女舞が終わると、後方の山車がカミさまに向かってからくり奉納。
つづいて、獅子頭で舞う神楽が奉納された。
その後、花が撒かれ、持ち帰るとよいとされる。
祭りが終わると、名残惜しいかのように3回回ってから、神輿はそれぞれの神社へ還っていった。


とにかく、本当に良い祭りだった。
みんなの顔から震えるような感動が伝わってきて、うれしさの溢れる美しい笑顔に包まれていた。
実は昨年、来年も祭りの再開は困難で、祭りの存続は難しいときいていたから。
それから一年の間にかなりの困難をくぐり抜けて、再開への道を切り拓いてくれたことに感謝します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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