10日は願成寺西墳之越古墳群にて、清明節のシーミー祭を友人のれらさんと。
土川商店にも寄り、古代の池田町に想いを馳せる。
この辺りは古墳もすごいけど、池田山麓には縄文遺跡も多く、池田町辺りが大海人皇子こと天武天皇の直轄地、湯沐邑(ゆのむら)の中心地。
土川さんに教えていただき、近場のヤマトタケル伝承地と、願成寺西墳之越古墳群の展示をしている池田町公民館も回ろうと。
ちょうど翌11日が、ヤマトタケルを祀る池田町の白鳥神社では白鳥神楽の例祭で、オオウスを祀る山県市の清瀬と垣野神社ではヤマトタケルが訪ねてきてオオウスと出会う柿野祭りが行われるはずでしたが、どちらも中止で氏子による神事のみと聞いていたので、とにかく白鳥神社は近いから寄ってみたかったんです。
白鳥神楽
https://twitter.com/fuhgetsu/status/1370523565037002758
美濃尾張のオオウス伝承
https://twitter.com/fuhgetsu/status/1376889337372057600
まず最初に、初めて聞いた、火焚き(ひだき)の宮へ。
しかし、ここには話に聞いたようなヤマトタケル伝承を見つけるに至りませんでした。
ついでに、景行天皇絡みの伊福部(いおきべ)=五百木部氏の養基(やぎ)神社へも。
池田町には地名にも白鳥があり、郡上白鳥と関係あるんじゃないか。
なぜなら、ヤマトタケルの白鳥伝説地は普通シラトリと読む。
でも、池田町の白鳥は珍しくシロトリなのだ。
池田町には1つや2つどころでなく、神戸町など周辺に無数の白鳥神社がある。
前から、ここは何かあると思っていた。
何かあるはずだけど、そう簡単にはたどり着けないと思いつつ、池田町白鳥の白鳥神社へ。
旗が気になるけど、幟が立ち、祭り前日で飾られてはいるものの誰も居なかった。
話を聞くことは出来なかったが、いつも重要なヒントをくれることがある由緒書きの石碑を眺め、祭神から読み始めて驚愕した。
書いてあるじゃん。
ここに。
あかんやんこれ。
ざーっと読んで、腑に落ちた。
まったく価値観が変わった。
これが真実だーってなるわけじゃなく。
お伽話は、音聞話。
そこには、祭神はヤマトタケルとありながら、オオウスがヤマトタケルだったと書かれ、そのオオウスが東征から帰り伊吹山で病となってこの地はかつてムギツ白鳥という地名で、ここで葬られたと。
大逆転のホームラン。
なんてことだ。
伊吹山からこの地へは、地理的にもあり得るし。
まずは既存の価値観をぶっ壊すだけの手がかりさえいただければ、過去のメッセージから何が言いたかったのかおおよそ想像がつく。
ヤマトタケルの時代は歴史がめちゃくちゃでその解釈を巡り諸説入り乱れてる中で、僅かに残された地元伝承を拾い集めることは大切な作業だと思ってます。
記紀ではヤマトタケルに八つ裂きにされて殺されたオオウスですが。
土岐市の垣野と、山県市の垣野には、それぞれオオウスが住んでいて、ヤマトタケルが東征の帰りに立ち寄って再会する伝承が残ってる。
それが日子坐王の子、神大根(かむおおね)王の娘、兄媛(えひめ)と弟媛(おとひめ)とこの地で暮らし、最後は猿投山で毒蛇により死んだという伝説につながっていく。
その子孫がムゲツ氏であることにも符合する。
池田町の白鳥神社では、弟の小碓が先に東征で死んで、兄の大碓がその代わりに東征してヤマトタケル伝説が入れ替わってました。
ヤマトタケルという名は固有名詞ではなく、東征した大碓と小碓という双子の兄弟を意味するってことなのか。
美濃は大碓の伝承が数多く残る土地だから、まだまだやはり何かある。
それが最新のわたしの結論。
答えは無限。
それでよし。
どんどん更新されていきます!
白鳥神社 由緒
祭神 日本武尊 神体三躯有り木を用いて之を刻む
その中央 稲日太郎媛(*1) 母上
右 大唯尊(*2) 兄 即ち日本武尊是なり
左 小唯尊(*3) 弟
景行天皇の皇后稲日太郎媛御宇大唯尊 小唯尊弟の小唯尊東征の
途中病にて二十才で逝去せらる その後大唯尊景行天皇の命を受け
東征の為出発途中伊勢神宮によられ倭姫命より剣と明玉を受けられ
二年有余各地の賊を静め都への帰路武宣都(むぎつ)白鳥の地に立
ち寄れる折 近江国膽吹山(*4)の賊を夷らぐ其の折毒矢が当り武宣都
白鳥の地へ帰られ崩御せらる (二十五才)大唯尊の遺言により
御三躯を奉じ永くこの地に祭典を行う
時景行天皇 (西暦三四五年-四〇五年 大和時代一五八二年前)
注 東征記録(日本武尊東征) 竹下光彦著書による
筆者注:
(*1)稲日大郎姫(いなびのおおいらつめ)
(*2)大碓尊
(*3)小碓尊
(*4)伊吹山
この後で行った隣の横井集落の白鳥神社では、祭りで神事のみ行われてて、地元伝承をを聞くことが出来ました。
白楽天皇とか、白楽神社があって、昔、中国から渡ってきたと。
きっと馬の名手の伯楽のことかと思いますが、天皇とかこれまたびっくり。
シメに、願成寺西墳之越古墳群展でお勉強して、最後は美和ちゃんのナマステで怪しい打ち合わせな一日でした。