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狼蘇山三部作 #全員切腹 #破壊の日 #狼煙が呼ぶ

 

とうとう観てしまった。
やっとというか。
映画「全員切腹」をいつ観に行くかがここ最近の課題だった。
名古屋ではセンチュリーシネマで1日3回の上映。
そのうち1回は、狼蘇山三部作として過去作と合わせて上映される。
見るならそこでしょ。
先週末は豊田利晃監督の舞台挨拶があったのに、仕事で行けず。
上映期間が延長された今週末には、窪塚洋介プラス豊田監督の舞台挨拶ときた。
しかし、気づいたときには時すでに遅しで完売。
早速あきらめ、今日の平日、ほぼ貸し切り状態で。
カミさんと二人でゆったりと観ることができました。

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2020年に「プラネティスト」と「破壊の日」を観て、豊田監督の大ファンとなったわたし。
カミさんは今回が豊田監督作の初体験。
上映順も、狼蘇山三部作の時間軸で順番にやってくれたのでよかった。
2019年の「狼煙が呼ぶ」は初見なので、破壊の日を観てなかったら、ラストシーンの東京の風景は意味がわからなかっただろうけど、あれはオリンピック会場だった。
時代が交差して描かれる、狼蘇山神社の時代劇シーンは鬼気迫るところで、タイトルがどーん。
そして、タイトル後のラストシーン。
このタイトルの唐突な挿入の仕方は独特で、破壊の日も同様のやり方だったのが印象的。
とにかく一作目は内容がよくわからなくても、ど迫力の時代劇シーンが印象的で、その後の予告編のようだった。

二作目、2020年の破壊の日は、オリンピック開催日に設定されていた7月24日を狙って上映するというはっきりとしたメッセージ性の強い映画。
そこに、コロナ禍という疫病の要素が加わり、映画づくりと時代がシンクロしながら、強烈なメッセージを投げかけてくれた。
とにかく、三部作を連続で観ると、違和感なくつながって、監督が意図したかどうかは別として、より深く面白い見方ができたと思う。

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三作目の全員切腹は、窪塚の切腹シーンが話題になってたけど、監督の起用の仕方と演者の才能が響き合えばこんなにも引き出せるのかと、驚くほど完成度の高い切腹シーンに感動した。
普通、感動するような場面ではないのにだ。
それくらい窪塚の才能もすごかったし、そこは監督の腕の見せ所。
渋川清彦の斬首シーンも強烈すごかったなぁ。
こんなの大手の映画会社の時代劇ですら見たことも無い、鬼気迫るど迫力と映画の素晴らしい力を出し切ったようなクオリティーのよさだった。

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狼蘇山三部作のどのシーンも心に響く、わたしにとってしみじみする懐かしく美しい風景ばかり。
監督のそういう趣味のよさとか感性に共鳴する。
修験でもいろいろあるけど、こうゆう世界観を持ったこうゆう出で立ちの修験者が大好きなので、見ていて嬉しくてたまらなくなる。
音楽に関しても、すごく良い。
全部が全部好きな曲ってわけでなくとも、そのシーンにぴったりはまる音だったり歌や曲だったり。
感情が高ぶって冷静に考えれないようなタイミングでこれはと思う曲が流れても、あえて監督が意図したはずだから、ここは落ち着こうと気持ちを切り替えたり。
日本の映画界でこんないいセンスと、それをちゃんと撮って作品として完成しちゃう、とんでもない監督と出会えて本当によかった。
監督、次回作も楽しみにしてますからね!

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で、来月は1ヶ月かけてのジムジャームッシュ特集がはじまるので、また忙しくなるなこりゃ(笑)

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